九谷結窯のものづくり

九谷焼産業の現状

九谷焼産業の現状

1655年(明暦元年)頃、大聖寺藩(現加賀市)の旧九谷村の陶石をもとに開窯し『古九谷』『再興九谷』『近代九谷』『現代九谷』の時代の変遷とともに、常に新しいものを取入れ、進化を遂げてきました。古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描画の宮本窯(飯田屋)、庄三など数多くの窯が、素晴らしい画風を作り出し、「ジャパンクタニ」として世界にその名が広まっています。
宮内庁の贈答品や、海外でも広く愛用されており、様々な九谷焼の作家が自身の技術に磨きをかけて、日用品から美術品まで色彩の豊かな九谷焼を作陶し、発展し続けています。
古来より土づくり、素地づくり、成形、絵付けに至るまで、熟練した職人たちの手によって丹念に作られ守り伝えられてきました。しかし現代においては後継者難や、九谷焼型制作の業者が 1 社しかない現実を不安視する声が聞かれます。

九谷焼産業の現状

九谷の業界に新風を吹き込む

2004 年に創業し、主に電気機械器具製造・産業機械器具製造等のものづくりを中心とした事業活動を行ってきましたが、2011年よりものづくりメーカーとして新たな事業をスタートさせたいと考え、ガラスに彫刻を施すサンドブラストの技術を利用した製品づくりや体験工房を展開しました。
次第に自社の彫刻技術を応用した九谷焼の表札や花瓶に名入れをするなど、九谷焼との関わりが深くなってきました。他産業から参入した当社にとって新規型の制作と製造面での技術的な課題の壁が多くありました。
それを克服するためには自社内で一貫して手がけることが必須と考え、一貫生産体制ができるメーカーを志すことを決意しました。九谷焼の伝統技法を継承しつつも、新しい技術を取り入れる事で、新しい可能性を生み出すとともに、業界全体に新風を吹き込み、九谷焼を通して地域全体の活性化を目指しています。

九谷焼ワイヤレス充電器

九谷焼ワイヤレス充電器

九谷結窯の目指す九谷焼製品

ものづくりにおいてはマーケットインの考えで、常に顧客の要求・ニーズに対応したものづくりを進めています。
従来の九谷焼製品は、皿、置物、花器といったものが主流であるのに対して、当社はオリジナル性の高い商品はもちろん、インテリアやエクステリア、美容、家電、建築、医療分野にまで広範囲で可能性を秘めています。
またガラスや真鍮、ステンレスなど異素材とのコラボ、新素材開発への取り組み、緻密な形状など、研究を重ねて商品作りに取り組んでいます。
電装と融合した「九谷焼ワイヤレス充電器」では、令和 2 年度石川プレミアムブランドの受賞、おもてなしセレクション 2020 の受賞で評価を受けました。
今後も九谷結窯は、従来にない発想で商品を生み出し、新しい分野への挑戦をし続けていきます。

九谷結窯の特徴

  • 三次元技術を使った新工法

    三次元技術を使った新工法

    他産業の型開発技術に着目し、3DCAD・3Dプリンターによる型設計、NC 切削機・3D プリンターを利用した原型製作を導入しています。これにより複雑なデザインが可能になり、大小の変更など修正も迅速に対応出来ます。類似品商品への応用も可能で、転写絵付け時の展開図作成にも応用が出来ます。

  • 製版による上絵付け転写

    製版による上絵付け転写

    他産業の印刷技術を応用し、デジタル印刷やデジタル製版を用いております。デジタル印刷は 1 枚から版を作らずに商品化が可能で上絵付けデザインをデータで扱う事で低コストで量産化前の試作が容易です。デジタル製版を利用し、スピーディに版を作り小ロット~中ロットで対応が可能です。

  • 社内一貫生産

    社内一貫生産

    型成形から焼き工程・絵付けまで一貫して社内で行えるため、新素材や新工法についての開発を進めることができ、時代のニーズに合わせたものづくりをしています。特殊印刷技術や彫刻技術をも用いて、1 個から生産対応可能なのででオリジナル製品を開発するにあたり取り組みやすいです。

  • 非職人化の実現

    非職人化の実現

    業界の職人の不足に伴い、一連の作業をデータ化、標準化することで、誰でも一定のクオリティの制作が出来るように整えております。(ISO9001 の導入)

  • 応用技術

    応用技術

    サンドブラストやレーザーによる彫刻技術や電装技術を製品づくりにも活かしています。